2010年3月20日土曜日

 精神主義は多くは無能な者の隠れ蓑であることが多い。(司馬遼太郎「殉死」)

2010年3月15日月曜日

 「同じ人が同じ文字を何回書いても、少しずつ違う。人生も同じで、同じ日は二度と来ない」(2010年3月2日読売新聞大阪市内版、学生時代に事故で下半身不随になった書道家・伊藤進さん)

2010年3月14日日曜日

 小説というものは一般に、当人もしくは読み手にとって気に入らない作品がありえても、出来そこないというものはありえない。(司馬遼太郎「坂の上の雲」あとがき)

2010年3月7日日曜日

 顔は、社会的な器官なのである。(岡田尊司「アスペルガー症候群」)
 僕がまだ年若く、心に傷を負いやすかったころ、父親がひとつ忠告を与えてくれた。その言葉について僕は、ことあるごとに考えをめぐらせてきた。 「誰かのことを批判したくなったときには、こう考えるようにするんだよ」と、父は言った。「世間のすべての人が、おまえのように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」 (スコット・フィッツジェラルド、村上春樹訳「グレート・ギャツビー」)
 サンダルが街に目立ちはじめると、夏が近いことを感じる。(俵万智「花咲くうた」)
 人は誰しも自分のことを、何かひとつくらいは美徳を備えた存在であると考えるものだ。そして僕の場合はこうだーー世間には正直な人間はほとんど見当たらないが、僕はその数少ないうちの一人だ。(スコット・フィッツジェラルド、村上春樹訳「グレート・ギャツビー」)
 架空なる数字を売りて今切りし電話の相手も架空なるかな 源陽子(俵万智「花咲くうた」)
 給料の一部とみなし「君が代」を教えておりぬ歌わぬ我は 大坂康子(俵万智「花咲くうた」)
 サンダルの青踏みしめて立つわたし銀河を産んだように涼しい 大滝和子(俵万智「花咲くうた」)
 わが小さき記者の権限に選びたる君らの言葉多く読まれよ 島田修二(俵万智「花咲くうた」)
 誰からも嫌はれぬやうに記事書きてこころ和まず熱き茶を飲む 島田修二(俵万智「花咲くうた」)
 一人のベートーベンを生み出すよりもベートーベンを尊敬する国民を作るほうが簡単だって言葉があるでしょ?(宮崎駿「風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡」
 ころんだら、起きればよい(2007年11月22日日経新聞全面広告、アシックス創業者・鬼塚喜八郎の死亡、コピーライター松木圭三。鈴木康之「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」108ページ)
 ヘッドホン外した時の静寂にどこか似ている恋の終わりは 佐藤りえ(俵万智「花咲くうた」)
 空腹とちょっとの孤独に耐えたあと夫の持ち来るスープをなじる ネーダーコールソン靖子(俵万智「花咲くうた」)
 こんな奴を生けて置くは世界の人の大きな難儀ぢや。(文楽・通し狂言「義経千本桜」三段目・すしやの段)
 その静かさは、真昼の昼下がりなど、ときに海底のようである。(司馬遼太郎「翔ぶが如く」)
 恋と忠義はいづれが重い、かけて思ひははかなりなや。(文楽・通し狂言「義経千本桜」四段目・道行初音旅=みちゆきはつねのたび、冒頭)
 なに咎あって騙討ちに斬らるる覚えかつてなし 狐忠信(文楽・通し狂言「義経千本桜」四段目・河連法眼=かわつらほうげん=館の段)
 警官は決してさよならを言わない。彼らはいつも相手と再会することを望んでいる。容疑者として、面通しの列の中で。(レイモンド・チャンドラー、村上春樹役「ロング・グッドバイ」)
 お急ぎそうらえ。地獄、遠くにあらず。極楽、はるかなり。(黒澤明監督・映画「乱」)
 狂った今の世で狂ったのなら、気は確かだ。(黒澤明監督・映画「乱」)
 やれやれ。狂ってるほうが楽なのに。(黒澤明監督・映画「乱」)
 おい、黙ってないで、なんとか言えよ。おまえは勝手にばかを言え。おれは勝手に本当を言う。うまくつじつまがあったら、おなぐさみだ。(黒澤明監督・映画「乱」)
 人は泣くだけ泣いて死ぬんだ。(黒澤明監督・映画「乱」)
 人はいつも道に迷ってる。人間は昔から同じ道ばかり歩いてる。嫌なら、この石垣から飛んじまえ。(黒澤明監督・映画「乱」)
 神や仏はいないのか。(黒澤明監督・映画「乱」)